二つの欲望の影で児童は泣いている〜ネット普及で深刻な児童ポルノ〜

■ネット普及で深刻な児童ポルノ(ライブドアニュース)

【参考】
児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律
Wikipedia児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律


 児童買春・ポルノ禁止法の理念は実在する児童への性的搾取の防止と救済であり、現時点においては上手く機能していると言えます。

ですが、

 法規制や取り締まりについては、警察庁生活安全局少年課の伊藤正明課長補佐が「法改正などで規制が強まったことで検挙件数は上がっている」としながらも、絶え間なく現れては消える“有害サイト”をすべて見つけるのは不可能だと述べた。また、「児童ポルノを提供目的なしで所持することや、アニメ・漫画など実在しない児童を描写したものは、児童を性の対象として助長する可能性があっても法律上対処できない」と、現状での規制の不備を指摘した。(抜粋)

 漫画とアニメに関しては被害を受けた児童が存在せず、きちんとした因果関係すら証明されていません。にも拘らずこの発言を行った伊藤 正明警察庁少年課課長補佐は「実在する児童の保護と救済」と関係がないばかりか、本音としては漫画やアニメを自分達のコントロール下に置いて、かつそこで検閲(規制)した利益を得たいという下心が見え透いて見えます。

 また、児童買春・ポルノ禁止法が作られた背景として「日本は児童ポルノが野放しだ」と国際社会から指摘を受けたが故に作られたと言う事もあり、現状でも十分なのにとにかく海外に向けて見栄をよくしようとして余計に規制を厳しくしようと言う声さえあります。

 しかし、その一方で本来議論されるべき小児性愛者の問題に関しては真剣かつ客観的な動きは何一つ見せていないのが現状であり惨状です。

少なくとも「漫画とアニメを自分達の手で規制したい」「とにかく厳しくして外国に誉められたい」の二つの欲望がある限りは性的搾取による児童の保護と救済には程遠いと言うのが現状です。

何故そうなったのかを知る必要がある〜ニートに「発達障害」の疑い〜

ニートに「発達障害」の疑い、支援に心理専門職も(読売新聞)

【参考】
「ニートに「発達障害」の疑い、支援に心理専門職も」のはてブエントリー
ウィキペディア 発達障害

 いわゆる「ニート」とされる人達の場合、全員が全員『働いたら負けかなと思っている』ではなく彼らは様々な事情でニートになった、もしくはならざるを得なかったと考えるべきで今回の厚生労働省の調査はそれらの要素の一つに焦点を当てたと言う意味で本質に迫ったものだと言えます。

 (特にニートは世間をなめた怠け者とばかりに親から高い金をふんだくってニートの若者に軍隊生活ごっこを強いて悦に入ったり、何処かの田舎へ押し込んで農奴に仕立て上げようと目論んだりしてる人にとっては現実を突きつけられた気分かもしれません)

と同時に成人に対しては何かと立ち遅れている発達障害への施策が充実する事を望むばかりなのですが・・・。

理解できる人と出来ない人 飛び込める人と飛び込めない人の不幸なめぐり合わせ

 最近故あって売店売りの埼玉新聞を購読する状況となっています。
で、7月5日付第6面にヤンキー先生こと義家弘介氏の連載「ヤンキー先生のきょういく論」と言うのが載ってる訳です。ざっと読んだ内容(あくまで私感)としては携帯電話やインターネットと言った物を子供に与えるには大人が責任を持つべきだと言うのがおおまかな内容だったりするわけですがその中においてインターネットと言ったネット上のコミュニティを「闇の世界」と言い出す辺り、「義家弘介と言う人はネット上のコミュニケーションに対して非常に疎くかつ素人なんだな」と言うのを感じるわけです。

 そうでなくとも携帯電話やパソコンを入り口としてインターネットを介する形でコミュニケーションを取るというのはそれなりにスキル習得し、慣れてしまえば電話で長電話したり手紙や封書で文通する感覚で行えても使うまでの過程が複雑に見えるので使えない人間にとっては非常に未知の世界となってしまう。そして、未知の世界であるが故に「闇の世界」なんて安易な言葉で済ませてしまう部分と言うのがあるのでしょう。ぶっちゃけた話、義家弘介氏が言うべき事は「ネットは悪」と頭の中が止まったかのような理屈をこねるのではなく、義家弘介氏自身がネットを介したコミュニケーションを取れるか?取れないか?を表明するのが先なんじゃないか?、そうする事によってネットによるコミュニケーションをとる私たちは理解出るんじゃないか?、と言う気がするのですが。

 これに関係すると言えばするのでしょうが、どうも一つの思想、特に保守思想において最近ネット上においてコミュニケーションをとる方々と昔からの人達との間に大きな壁を昔からの方々が率先して構築しようと言う流れが見えてきたように感じます。確かに昔からの方々にとってはネット右翼のような人は理解できないかもしれないし、彼らの中に飛び込みたくてもスキルが無いが故に飛び込めない、つまり理解できないと言うのはあると思います。しかし、かと言って「国家の品格」とか歪んだ国家主義を持ち出して硬直化して拒否してしまう行動をとるのは後々の事を考えると得策ではないし変に分断してしまったが故に最悪の結果になるじゃ無いか?、って気がするわけです。(そこそこ感づいてる人は居るかもしれないけど)

 最後に保守において古い世代やそれに踊らされてる人になるほど「ネットは敵だ」「バーチャルは敵だ」と言う論調が目立つのですがその一方でパソコンや携帯電話の普及率は上がってると共に高年齢層でも扱えるようなものも増えていますし、団塊の世代が定年を迎えてネット上でコミュニケーションをとるケースが増えるかもしれない。そして、そういった層がネット上のコミュニケーションスキルを若者以上に身に付けたとしたらどうなるか?、と言うのは非常に気になる所なのですが。

「萌え」のマイルストーンであるが故の贅沢な悩み

アニメスタイル 首藤剛志 シナリオえーだば創作術

第54回『ミンキーモモ』はロリコン向けか?
第55回『ミンキーモモ』は「ロリコン」を受けて立つ?

まず、若い人だと「ミンキーモモってなんですか?」と聞かれそうな気がするので
ちょっと語ると「少女アニメの皮を被ったごった煮アニメ」「萌えアニメの原点」と答えた方が
良いかもしれません。
(今の感覚だとアニメ版のギャラクシーエンジェルがこれに近いかな?)

どっちにしてもこれがなかったら「カードキャプターさくら」の木之本桜
涼宮ハルヒの憂鬱」の涼宮ハルヒが出てこなかったんじゃないか?
と考えて良いほど様々なアニメ文化、特に「萌え文化」にもたらした影響は
計り知れなかったりするのですがその生みの親による証言が上記の
リンク記事になります。当時の空気を知る上では非常に

 放映当時はいわゆるロリコンブームの渦中であり「萌え」と言う概念が
確立されていなかったと言う部分はあるとはいえ「萌え」と「ロリコン」を
生みの親が未だ混同すると言うのもちとばかし疑問を感じると言うか
混同した状態で55回で提示されたシナリオを持ち込まれても相当
噛み砕いた事をしない限りは観る側から反発を招くだけなんじゃないか?
と言う気がするのですよ。

 確かにミンキーモモはキャラとしても魅力的ではありましたが少なくとも
放映当時観ていた方々と言うのは「なんだか凄くて面白いアニメ」として
みていた部分ってあったと思うし、その土台があってこそ
ミンキーモモと言うキャラクターも魅力的であった様な気がするのですよ。
そしてあとに続く同じようなコンセプトを持った作品も「面白い作品」と言う前提の元で
作られていたしそれ故に支持されていた。

 それを踏まえた上で新作が出てくるのであれば、いわゆる「泣きゲー」に代表されるゲーム文化の文脈から
描いたミンキーモモが観てみたいし、様々な文脈・解釈によるミンキーモモが観てみたいと
考えるのは贅沢でしょうか?。

最後に「萌え」を「魅力的なものにときめく」と仮に定義するのであればミンキーモモ
ロリコン」ではなく「萌え」であると思います。

「怒れる親父」が子供に復讐されると言う事

最近、子供の世界が理解できないまたは飛び込む勇気がない、
もしくは父親の威厳の復活かどうかは定かではありませんが
「怒れる親父」とばかりにかなり急先鋒的な動きが見られます。

おやじ日本

 しかし、奈良で起きた母子放火殺人事件はその「怒れる親父」が
息子である長男からゲームや漫画といった娯楽を奪い、半ば強引に
「怒れる親父」とばかりに子供をコントロールしようと結果、復讐されて
しまうと言う何とも皮肉な結果を迎えてしまったのも事実な訳です。

放火の高1長男、進学後に深まる家庭内での孤独感(サンスポ)

長男は同級生に「父がどうしても塾に行けとうるさい」と漏らし、小学以来の友人に「漫画やゲームも好きだったけど父親にやめさせられた」などと打ち明けていた。

「集中勉強室」でスパルタ指導…奈良母子放火殺人ZAKZAK

長男は成績が悪いと、病院の集中治療室(ICU)になぞらえた「集中勉強室」と呼ばれる自宅の部屋で、父親にマンツーマンの厳しい指導を受け、殴られることもあったという。
(中略)
 長男は調べに、「ことあるごとに父親に殴られ、暴力が許せなかった。日頃から殺そうと思っていた」

[奈良高1放火殺人]動機は「説教や殴る父に憎しみ、母も」ライブドア・毎日)

 長男は幼いころから医師への道をめざし、父親も強く後押し。深夜まで勉強につきあうほど熱心だったが、指導は時には暴力も交えた厳しいものだったという。

 父親の姿勢について長男は「成績やしつけに厳しく、憎かった」などと供述。父親が不在時の長男の行動を父親に報告する母親にも不満を募らせていたという。

 結局の所、今の段階における「怒れる親父」と言うものは
子供が怖い、しかし自分のいうとおりに育てたいと言う
非常に利己的な考えであると共に子供自身の問題を
受け止める事が出来ない、つまり器の小ささが目に付いてしまう。
そして、今の子供はすぐに反発せず表面的には服従するそぶりを
見せながらもキレるだけで器の小さい親父への恨みはガスのように
充満するので何らかの形で爆発、高圧的に接した親父も最終的に
悲惨な結果に陥るであろうし今後もこういった問題は起きるでしょう。

少なくとも今の世の中で重要なのは威張った態度で接するのではなく
きちんと子供と対話する、そして問題を受け止める事が大事ではない
でしょうか?。

ゲーム断絶時代 〜18禁と一般と〜

■誰がためのアニメ〜アニメとギャルゲとエロゲーと 皇帝φ機構-Emperor System Zero-

PCのアダルトゲーム作品の「処女(おとめ)はお姉さま(ボク)に恋してる」が
乙女はお姉さまに恋してる」としてTVアニメ化する際にキャスティング面で一悶着があったようで。

元が18禁のアダルトゲームだったりしたものを一般向けに
メディア展開する場合、大人の事情、特に声優のキャスティング関連で
入れ替えが行われるのは良くある事です。リリカルなのはとか、リリカルなのはとか)

ただ、その一方でオリジナルのキャスティングで「TV」アニメ化された
作品を観たいと強く願う層もまた大多数存在するのも事実な訳で
今回の騒動もそういう願望と「大人の事情」で生まれた軋轢と考えても
良い様な気がします。

しかし、アダルトゲームはポルノの1ジャンルでありポルノが
基本的にアンダーグラウンドなものである以上はそのままでは
一般向けに食い込むのは難しいのも事実です。

現にLeafアクアプラス)の「ToHeart」やKeyの「Kanon」「AIR」を例に取るまでも無く
オリジナルがアダルトゲームであっても一度「一般向けソフト」と言うたたき台を作ってから
積極的なメディア展開を行った様にこういう問題は今後も続きそうな気がします。

家庭用ではオリジナルと同様のキャストだったようで・・・
【参考】Wikipedia処女(おとめ)はお姉さま(ボク)に恋してる

告知 内閣府 IT戦略本部 「重点計画−2006(案)」に関するパブリック・コメントの募集について

内閣府官邸のIT戦略本部から「重点計画−2006(案)」に関する
パブリックコメント募集の告知がでました。
受付は電子メール・郵送・FAXで受け付けています。
(詳しい事は以下のリンクを参照のこと)

「重点計画−2006(案)」に関するパブリック・コメントの募集について
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/pc/060601comment.html

この中でネット上における言論・表現に関わる部分は以下の通りです

重点計画−2006(案)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/pc/2006keikaku.pdf

P68
6 世界の模範となるインターネット利用環境の実現
インターネット上から違法情報を減少させるとともに、有害情報が青少年に届かない
社会を構築することなどにより、世界の模範となるインターネット利用環境を実現する。

【具体的施策】
(1) インターネット上の違法・有害情報への対策の検討(総務省
有識者及び電気通信事業者団体等から成る「インターネット上の違法・有害情報へ
の対応に関する研究会」において、インターネット上の違法・有害情報の削除等に関す
るプロバイダ等による自主的対策及びこれを効果的に支援する方策について幅広く検
討し、2006 年7 月を目途に取りまとめを行うとともに、電子掲示板の管理者等による情
報の違法性の判断を支援する方策及び有害情報への対応を支援する方策についての
具体的取組みを検討する。

(2) インターネット上の違法・有害情報の早期把握及び迅速な対処のための取組みの推
進(警察庁総務省
サイバーパトロールを効果的に実施するとともに、インターネット利用者からのインタ
ーネット上の違法・有害情報に関する通報を受け付け、警察への通報やプロバイダ等
への削除依頼等を行うインターネット上の「ホットライン」業務の運用を2006 年度から開
始し、総務省と共同してその適切な運用を推進するなど、官民連携したインターネット上
の違法・有害情報対策を実施する。
(3) 「安心・安全な情報経済社会の実現のための行動計画」の推進(経済産業省
(4) フィルタリングソフトの普及(総務省経済産業省
(5) 迷惑メールに関する対策の推進(総務省経済産業省
(6) インターネット上の違法・有害情報に関する個別事案への対応

P69

7 情報モラル教育の推進
国民がインターネット上の違法・有害情報などネットワークの不適正な利用に対し適切
に対処できるようにする。

【具体的施策】
(1) e-ネットキャラバンの実施(総務省文部科学省
(2) 青少年を取り巻く有害環境対策の推進(文部科学省
2006 年度も引続き、地域において青少年を有害な情報から守るモデル事業を全国
14 箇所において実施するとともに、携帯電話やパソコンの使い方について盛り込んだ
子育てのヒント集「家庭教育手帳」を作成する。また、2006 年度からは新たに子ども向
けの啓発リーフレットの作成、配布を行う。
(3) ユビキタスネット時代における新たなITメディアリテラシー育成手法の調査・開発(総
務省)
(4) インターネット上の違法・有害情報に対する対策の強化(警察庁
インターネット上の違法・有害情報から子どもを守るため、学校等の関係機関と連携
し、非行防止教室を開催することなどを通じ、少年、保護者等に対して情報モラル、フィ
ルタリング機能等についての理解促進を図るとともに、意識啓発等の情報発信を推進
する。
また、有識者等から成る「バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会
において、携帯電話と子どもの関係、子どものインターネット、ゲーム依存等について幅
広く議論を行い、本年夏を目途に論点の整理を行う。

問題点として世界の規範になろうとするあまり言論が狭められてしまうのは
民主主義国家としてあまりにもおかしい話ですし、「インターネット上の違法・
有害情報に対する対策の強化」という項目も「バーチャルは悪である」
決め付けた上で警察庁が研究会を開いています。

バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会

またホットラインにしてもネット上の言論に頭を悩ませる
一部の団体や勢力によって恣意的な運用が行われる
危険性もあります。
ホットラインセンター問題
警察庁の『漫画・アニメ・ゲーム表現規制法』検討会問題まとめ @Wik

ネット規制が始まった(ポリスジャパン)

要するに自分たちに都合の悪いことがネットに書いてあった場合、信者を総動員してインターネット規制ホットラインに電話させ、自分たちの都合の悪いサイトをサイトを閉鎖に追い込む、ということができるのだ。

そういう事態を少しでも無くすためには意見を出せる所には
きちんと意見出す事が必要だと思われます。

事実、パブリックコメントを出した事によってホットラインに関する運用基準を明文化
させたり、

【参考】
ホットライン18歳未満「に見えたら」問題ひとまず解決!
架空の児童は児童ポルノに該当しない
(しゅういち建設)

知的財産計画においてはパブリックコメントの意見が反映された結果、
警察庁の提案であった「有害コンテンツの青少年に対する影響を調査をする」
の項目がなくなっています。
【参考】
Blog内 2006.3.22

(4)青少年の健全育成への自主的な取組を奨励・支援する
 i) 一部のコンテンツが青少年を含め社会全般に悪影響を及ぼしているとの指摘があることを踏まえ、
 健全なコンテンツの普及拡大を図る観点から、2005年度も引き続き、有害なコンテンツから
 青少年を守るための業界による自主的な取組や、一部のコンテンツが身体に及ぼす影響も含めて、
 業界等による定量的な調査研究等の取組を支援する。(警察庁総務省文部科学省経済産業省

知的財産推進計画(コンテンツ分野)について(PDF)
※上記で挙げた項目が削除されています。

月並みな意見ではありますが声を届けられる機会にはきちんと声を届ける
事が大事であると考えています。