降りかかる算段はなし

そもそも絵、特に漫画絵になってくるとデフォルメがきつい分
非常に判断に窮する部分があるわけで、何かしらの事件で
きちんとした因果関係も証明できないまま感情論のみで
何かを排除しろとなると最悪アンパンマンが発禁にされる
状況に陥る危険性もある中でその作者がそういう危険性を
考えないで規制論を新聞紙上でぶち上げていたようです。

夢の新春対談:アンパンマンと毎日かあさん/下(毎日新聞)


◇性表現、もっと「良識」を
やなせ そう、作者としては実に光栄なんだが、もう親子でアンパンマンで育った方もいる。なぜだか、どの年の子も赤ちゃんのころからアンパンマンを好きになってくれる。でも、赤ちゃんの時、無意識の時に入っちゃうということは、その影響を考えると恐ろしいところがある。

 だから、漫画界にひとこと言うとするとですね、現在、ロリコンの漫画とかすごいあるんだけど、あれだけはやめてほしい。いま、幼女殺人とか起こっているけど、ああいう漫画を世の中にのさばらせるのは、非常に困るんです。金はもうかるかもしれないけど、そういうものを描くのだけはやめてほしい。

 西原 私はセックスの漫画、性表現はあってもいいと思うんですが、でもやっぱり、越えてはいけない一線はあると思う。子どもを相手にした変態ものは、絶対やめるべきですね。何より嫌悪感がある。

 やなせ ところが昨今は、作者も出版社も一線を越えて、何でもあり。あそこが越えたからうちもいいだろう的になってしまった。それは漫画だけの責任でなく、ネットとかゲームとかいろいろあるんだけど、やっぱり社会全体が考えるべき。「良識」っていうのはあるから。それはむしろ、出版する方が持たなければね。作家は弱いけれど、そっち側にきちんと良識があれば、何でもありにはならないはずだから。

上記、特にやなせたかし氏の発言は今まで何かしらの形で
突き上げを食らう事がままあった商業漫画の世界から離れてる
事と多様性を含んでいる漫画界を知らなさ過ぎるが故の
鈍感なしかし、過去に行われた有害コミック騒動
去年控訴審判決が出たわいせつコミック裁判を踏まえると
不勉強も甚だしいと言いますか今の漫画界への冒涜に等しい発言に
なってしまってますし、西原氏もまた単なる感情論のみで
どうにかしろと言う最悪な規制論となってしまっているわけです。

しかし、厄介なのは作り手側が最終的に自分自身に降りかかる事を
考えないで規制論を語る事ではないでしょうか?。

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